風営法の管理者が退職したら?14日以内の手続きを忘れた場合のリスクと対処法

キャバクラやスナックなどの風俗営業を営む中で、店長や支配人として管理者に選任していた人が突然退職することに。こういった事態は決して珍しくありません。

管理者は風営法上、営業所ごとに必ず置かなければならない重要な存在です。それだけに、管理者が辞めた場合の対応を間違えると、知らないうちに風営法違反の状態に陥ってしまう可能性があります。

この記事では、管理者が辞めたらどうなるのかいつまでに何をしなければならないのか期限を過ぎたらどんなリスクがあるのかについて、実務的な視点から解説します。

目次

管理者が辞めたらどうなる?まず知っておくべき法律のルール

管理者が退職などで「欠けるに至った」場合、風営法ではどう扱われるのでしょうか。

管理者は営業所ごとに必ず置く必要がある

風俗営業では、営業所ごとに「管理者」を選任しなければなりません。管理者は、店舗運営の中心として、法令遵守や業務の適正な実施を確保する役割を担う重要な存在です。

そのため、本来は管理者がいない状態での営業は認められておらず、管理者が辞めた場合は速やかに後任を立てる必要があります。

ただし「欠けた日から14日間」は猶予期間がある

もっとも、管理者が退職などで「欠けるに至った」場合に備え、風営法ではその欠けた日から14日間の猶予期間が設けられています。

ただし、管理者として選任した者が欠けるに至つたときは、その日から十四日間は、管理者を選任しておかなくてもよい。

風営法第24条第1項

つまり、管理者が退職した日(=管理者が欠けた日)から数えて14日間は、管理者がいない状態でも直ちに違法にはなりません。この期間は、後任者の確保や書類準備のための猶予として設けられているものです。

「欠けるに至った日」の考え方に注意

実務でよく混同されるのが、「いつから14日が始まるのか」という点です。14日の起算日は、退職の申出日や引継ぎ開始日ではなく、実際に管理者として置けなくなった日(例:退職日・解任日など)になります。

とくに、シフトの都合で「退職後もしばらく手伝う」という形があっても、管理者としての実態が失われていれば欠けたと判断されるリスクがあります。迷う場合は、早めに後任選任へ動くのが安全です。

14日を過ぎると「管理者不在」で違法状態になり得る

14日という猶予はあくまで例外です。期間を過ぎても管理者がいない状態が続くと、管理者選任義務に反する状態となり、指導や処分リスクが現実化します。

したがって、管理者が辞めた場合は「14日間あるから大丈夫」ではなく「14日以内に必ず後任を決める」という意識で動くことが重要です。

管理者が辞めた後の手続きは?

管理者が辞めてから新しい管理者を選任し、届出を完了させるまでのスケジュールを整理しましょう。

STEP
管理者が欠けた日から14日以内に、新しい管理者を選任

まず、管理者が退職した日から14日以内に、新しい管理者を選任する必要があります。

新しい管理者は、以下の要件が求められます。

  • 欠格事由に該当しないこと
  • 営業所の専任であること
  • 実際に営業所の管理ができる体制であること
STEP
選任した日から10日以内に、変更届を提出

新しい管理者を選任したら、選任した日から10日以内に管轄の警察署へ変更届を提出する必要があります。

【つまり、最長24日以内に手続き完了が必要】
管理者が欠けた日から14日以内に選任 + 選任した日から10日以内に届出 = 最長24日以内に一連の手続きを完了させる必要があります。

必要な書類

管理者の変更届には、一般的に以下の書類が必要です。

  1. 変更届出書
  2. 新しい管理者の住民票(本籍地記載あり)
  3. 新しい管理者の身分証明書(市区町村発行)
  4. 欠格事由に該当しないことの誓約書
  5. 新しい管理者の写真

必要書類は自治体によって異なる場合があるため、事前に管轄警察署・行政書士へ確認することをおすすめします。

期限を過ぎたらどうなる?罰則と行政処分のリスク

管理者が退職した後、期限管理を誤ると「うっかり風営法違反の状態」のまま営業してしまうことがあります。ここでは、期限を超えた場合に生じる刑事罰(罰金)行政処分のリスクを解説します。

① 14日を超えて管理者が不在のまま営業を続けた場合(管理者選任義務違反)

風営法では、営業所ごとに管理者を選任する義務があります(ただし、管理者が欠けた日から14日間は管理者を選任しておかなくてよい)。この猶予期間を1日でも超えると、管理者不在の状態は直ちに風営法第24条第1項違反になります。

そして、管理者選任義務(第24条1項)に違反した場合は、罰則として50万円以下の罰金が規定されています。

  • 刑事リスク:50万円以下の罰金(管理者選任義務違反)
  • 行政リスク:指示処分 → 是正されない場合は営業停止等に発展する可能性

② 管理者を選任したのに、変更の届出を放置した場合

後任管理者を決めたとしても、実務上は管理者に関する変更届の提出が必要になります。これを放置すると、立入時に「管理体制が整っていない」と判断され、指導・是正要求につながりやすくなります。

なお、管理者の交替や氏名・住所変更は、変更があった日から10日以内に届出をしなければなりません

ここで重要なのは、「管理者は選任したから大丈夫」ではなく、外形的にも管理者が適法に置かれていることが説明できる状態にしておくため、期日内に必ず届出書を提出することです。

悩んだら行政書士に相談することをおすすめします。

よくある質問

管理者が突然退職してしまいました。14日間は営業を続けても大丈夫ですか?

法律上は、管理者が欠けた日から14日間は管理者を選任しておかなくてよいとされています。よって、その間は管理者不在のまま営業を続けても風営法違反にはなりません。ただし、14日を1日でも過ぎると風営法第24条第1項違反となりますので、できるだけ早く新しい管理者を選任してください。

営業者(オーナー)自身が新しい管理者になれますか?

形式上は可能です。ただし、管理者は営業所の業務を統括管理する立場ですので、実態として現場を見られる者が就任しなければなりません。

オーナーが他の業務で忙しく、実際には営業所を管理できない場合、名義だけの管理者として問題視される可能性があります。

複数店舗を経営していますが、全ての店舗で同じ人を管理者にできますか?

原則として、管理者は営業所ごとに専任で置く必要があります。

ただし、営業所同士が隣接しているなど、特別な条件を満たし、公安委員会の承認を受けた場合に限り、兼任が認められることがあります。事前に管轄警察署への確認が必要です。

まとめ

管理者が突然退職した場合でも、風営法では14日という一定の猶予期間が設けられています。ただし、対応を誤ると「知らないうちに風営法違反の状態」で営業してしまうリスクがあるため、期限管理が非常に重要です。

  1. 管理者が欠けた日から14日間は、管理者を選任していなくても直ちに違法とはならない(猶予期間)
  2. 14日を過ぎても管理者が不在の場合は、管理者選任義務違反となり、罰則(50万円以下の罰金)や行政処分リスクが発生する
  3. 後任管理者を選任したら、速やか(10日以内)に管理者変更の手続(変更届の提出等)を行う
  4. 書類の取得には時間がかかる場合もあるため、早めに動くことが最も安全!

管理者の交代は、営業現場ではよくある出来事ですが、期限を超えた管理者不在は店舗にとって大きなリスクになります。「後任を決める」「書類をそろえる」「警察署へ手続を行う」までを、できるだけ早く一気に進めることが重要です。

「急な退職で間に合うか不安」「必要書類が揃わない」「どの手続が必要か分からない」といった場合は、早めに行政書士へ相談することをおすすめします。

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【免責事項】 本記事の情報は2026年1月時点のものです。法令や運用は変更される可能性がありますので、実際の手続きの際は必ず管轄の警察署または行政書士にご確認ください。本記事の内容に基づいて生じた損害について、当事務所は一切の責任を負いかねます。

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