飲食店経営者必見!風営法で営業停止になる5つのNG行為【2026年版】
飲食店をオープンさせようと考えたとき、まず頭に浮かぶのは「保健所の営業許可」や「消防署の手続き」ですよね。もちろんこれらは必須ですが、実はお酒を出すお店や深夜まで営業するお店の場合、それと同じくらい風営法への目配りが欠かせません。
風営法と聞くと、キャバクラやホストクラブのような華やかな夜の世界をイメージされるかもしれません。しかし、実はごく普通の飲食店であっても、お店の作りや営業スタイルによっては、法律上風営法の対象だと判断されてしまうことがあるのです。
飲食店で風営法が問題になるのは、大きく分けて2つです。
ひとつは、風俗営業として許可が必要になるケースで、接待だけでなく、店内が暗い場合や個室の作り方によっても該当することがあります。
もうひとつは、風俗営業には当たらなくても、深夜にお酒を出して営業する場合に届出が必要になるケースです。
本コラムでは、飲食店を経営するうえで必ず知っておきたい風営法について解説します。
まず押さえたい「風俗営業(許可が必要)」の考え方
「風俗営業」として許可が必要になるかどうか。
これは、単に「接待をしているか、していないか」だけで決まるものではありません。一般的な飲食店であっても、次の3つのポイントから、風俗営業の対象かどうかが判断されます。
- 「接待」をして営業しているケース
例えば、スタッフがお客さんの隣や近くに付き、会話やその場の盛り上げをサービスの中心に据えているような場合です。 - 店内の「明るさ」が関係するケース
客席の照度が「10ルクス以下」の場合、「低照度飲食店」という枠組みで扱われることがあります。 - 客席の「区画(仕切り)」に関するケース
個室や半個室のように、外から店内の様子が見通しにくい構造の場合、「区画席飲食店」に該当することがあります。
このように、接待の有無だけでなく「照明の暗さ」や「席の作り方」といった点に該当する場合でも、風営法の許可が必要になる可能性があるのです。内装工事が始まってから修正するのは大変ですから、デザインを最終決定する前に一度確認しておくことをおすすめします。

次に押さえたい「深夜酒類提供(届出)」の考え方
もうひとつ、飲食店を開業される方から特に相談が多いのが「深夜営業」をどう扱うかという問題です。
たとえ、接待を一切行わない一般的なバーや居酒屋であっても、深夜0時を過ぎてお酒を提供し、営業をするのであれば、「深夜酒類提供飲食店営業開始届出」が必要になる可能性が高いです。
ここで注意しておきたいのは、届出さえ出せばどんな店でも自由に営業できるというわけではない点です。
深夜酒類提供の営業を行うためには、店内の構造や設備が一定の条件を満たしていなければなりません。具体的には、客室の床面積や照明の明るさなどがチェックの基準となります。
また、場所の問題も重要です。地域によっては条例によって、そもそも深夜営業自体が制限されているエリアもあります。深夜までお店を開けることを前提に物件選びや内装計画を立てているのであれば、できるだけ早い段階で用途地域を確認することが重要です。不安であれば、行政書士に相談をすることをおすすめします。

飲食店経営でつまずきやすいポイント
ここまで整理してきた通り、飲食店が風営法を意識すべきなのは、主に「許可が必要な風俗営業にあたる場合」と「深夜酒類提供の届出が必要な場合」の2パターンです。 ただ、実際のところ法律の分類を知識として知っているだけでは不十分です。
開業準備で内装を凝ったり、接客のルールを決めたりしているうちに、いつの間にか条件に触れてしまい、想定外の手続きに追われる…というケースは少なくありません。 ここからは、飲食店の現場で特によく相談される具体的なポイントを見ていきましょう。
その接客は「接待」と判断されないか
現場で一番悩ましいのが、どこまでが「普通の接客」で、どこからが「接待」なのかという境界線です。 注文を取る、料理を運ぶ、空いたお皿を下げるといった、飲食店として当たり前の対応であれば、もちろん問題になることはありません。
ただし、お店の売りが「料理やお酒」よりも「スタッフがお客さんを楽しませること」に比重が寄ってくると、接待に近いとみなされる可能性が出てきます。 たとえば、以下のような運用には注意が必要です。
- スタッフが特定のお客さんの近くに長く付き添う
- 会話やその場の盛り上げがサービスのメインになっている
- 指名や同伴に近いルールがある
- スタッフに飲ませるドリンクを前提としたサービスになっている(キャスドリ制度)
- カラオケのデュエットや手拍子などを、店側が積極的に行っている
接待かどうかの判断は、ある一瞬の場面だけで決まるのではなく、店全体の運用や仕組みの積み重ねで判断されることが多いものです。 コンセプトとして「接待に近い店」を目指すなら、最初から許可を取る前提で動くのが安全ですし、「通常の飲食店」として運営したいなら、サービスが接待寄りにならないよう工夫しておく必要があります。
店内が暗すぎないか
照明を落として落ち着いた大人の雰囲気を作りたい、と考えるオーナー様は多いと思います。 しかし、その暗さの程度によっては「低照度飲食店」として扱われる可能性があることは忘れてはいけません。
目安となるのは、客席の照度が「10ルクス以下」かどうかです。これはよく、新聞の文字がなんとか読める程度の明るさ暗さと言われています。 照明は「雰囲気作り」としてついつい感覚で決めてしまいがちですが、これによって営業上の扱いが変わってしまうこともあるので、リスクを避けるためにも、最初に基準を意識しておくのが安心です。
個室や半個室が多い店は、客席の作り方に注意
個室居酒屋や半個室のスタイルは、プライバシーが守られるためお客さまに人気ですし、客単価を上げるうえでも大きな強みになりますよね。 一方で、仕切りをしっかり作るお店ほど、風営法との兼ね合いを事前に確認しておくことが欠かせません。
というのも、風営法にはいわゆる「3号営業」という区分があります。これは喫茶店やバーなどの飲食店で、外から見通しにくく、かつ広さが5平方メートル以下の客席を設けて営業するものが対象となります。
ここで注意したいのは、個室かどうかという名前の問題ではなく、「見通しが悪い構造」であることと、「客席が5平方メートル以下」であること、この2つの条件が揃うかどうかです。
たとえば、カーテンや衝立、背の高いソファなどで外からの視線を遮る構造にしている場合、席の広さ次第では「区画された客席(3号営業)」とみなされる可能性が出てきます。個室や半個室を売りにしたいお店ほど、この内装の作り方ひとつで法的な判断が分かれてしまうのです。
さらに、深夜にお酒を出すための深夜酒類提供の届出を考えている場合は、ここにもう一つ「面積」のハードルが加わります。この届出を通すためには、原則として客室の床面積を一室9.5平方メートル以上にするという基準があるためです(一部の例外を除きます)。
個室を増やそうとすればするほど、1室あたりの面積はどうしても小さくなりがちです。内装デザインを最終決定してしまう前に、5平方メートルと9.5平方メートルという2つの基準に照らして、自分のお店が条件をクリアできているかチェックしておくのが重要です。
ダーツやゲーム機、カラオケを置く場合は、規模と使い方を考える
お店の付加価値として、ダーツやゲーム機、カラオケを導入することもあるでしょう。 これ自体がすぐに違反になるわけではありませんが、設置する台数やスペースの取り方、そして「どう使わせるか」によって、お店の性格が変わってしまう点には注意が必要です。
たとえば、ゲーム機がメインでお客さんの滞在時間が延びたり、飲食よりも遊び目的の来店が増えたりすると、「飲食店としての性格が弱い」とみなされることがあります。
また、カラオケを店側が積極的に回して盛り上げるような形になれば、先ほどお話しした「接待」の議論にもつながってきます。 設備を入れるなら、数を増やす前に「この店のメインサービスは何か」を改めて整理し、飲食店としてのバランスが崩れていないか確認しておきましょう。
深夜にお酒を出すなら、届出だけでなく条件も確認する
接待をしないバーや居酒屋であっても、深夜0時以降にお酒を提供するなら「深夜酒類提供飲食店営業開始届出」が必要になる場合があります。 ここで重要なのは、この届出は単に書類を出せば終わりではなく、お店の構造や設備が基準を満たしていなければならない、という点です。
代表的なものでいえば、先ほども触れた客室の面積や、照明の明るさなどがチェックされます。 また、そもそも地域によっては条例で深夜営業そのものが制限されているエリアもあります。 深夜営業を前提としたビジネスモデルを考えているのであれば、物件の契約や内装工事を進めてしまう前に、行政書士へ相談をしましょう。
まとめ
飲食店を経営するうえで、営業スタイルによっては風営法が密接に関わってきます。 大切なのは、自分のお店が許可が必要な風俗営業にあたるのか、それとも深夜酒類提供としての届出が必要なのか、この整理を最初につけておくことです。
開業した後に「実は別の手続きが必要だった」「お店の構造が条件に合っていない」と指摘されると、営業時間を変えたり内装を直したりと、想像以上の負担がかかってしまいます。
そうならないためにも、接客のルール、店内の明るさ、客席の構造、設備の置き方、そして深夜営業のあり方は、オープン前に一度しっかりチェックしておきましょう。
もし少しでも不安があるなら、自分だけで判断して進めるのではなく、早めに風営法に詳しい行政書士にアドバイスを求めることをおすすめします。そうした丁寧な準備こそが、余計なトラブルを避け、計画通りにオープンを迎えるための一番の近道になります。
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風営法は、接客の内容や店内の作り、そして営業時間によって、必要な手続きがガラリと変わります。基準が細かく、自己判断で進めるのがなかなか難しい分野でもあります。
当事務所では、風営法に関する相談を無料で受け付けています。 仙台市青葉区を拠点に、宮城県全域に対応しております。
これからお店を始める方はもちろん、「今の営業スタイルで届出を見直したい」といった現役のオーナー様からのご相談も大歓迎です。
少しでも気になることがあれば、まずはお問い合わせフォームよりお気軽にご連絡ください。あなたの理想のお店づくりを、しっかりサポートいたします。
【免責事項】 本記事の情報は2026年1月時点のものです。法令や運用は変更される可能性がありますので、実際の手続きの際は必ず管轄の警察署または専門家にご確認ください。本記事の内容に基づいて生じた損害について、当事務所は一切の責任を負いかねます。
