映像送信型性風俗特殊営業とは?Fantia・myfans配信者の届出義務
2024年7月、myfansが運営方針を変更し、配信者個人に「映像送信型性風俗特殊営業」の届出を求めると案内したことで、この手続きへの関心が急増しました。その後、Fantiaも同様に、公式ヘルプページで各クリエイターに届出を求める旨を明らかにしています。
実際にアダルト配信を行っている方からすれば、「プラットフォームを使っているだけなのに、自分が届出をする必要があるの?」という戸惑いはもっともです。ただ、風営法の仕組み上により、プラットフォームの利用者であっても、配信の実態によっては届出義務が発生します。なお、無届営業には刑事罰の規定もあるため、他人事ではありません。
このコラムでは、映像送信型性風俗特殊営業の定義から届出が必要になるケース、手続きの流れ、届出後の義務など、実務に基き行政書士が解説します。
あなたは届出が必要?早見チャート
性的な映像・静止画を扱った配信を行っている?
↓ YES
インターネット(プラットフォーム含む)経由で配信している?
↓ YES
月額課金・単品販売・投げ銭など、何らかの形で対価を得ている?
↓ YES
継続的に収益を得る意図がある?
↓ YES
⇒【要注意】映像送信型性風俗特殊営業に該当する可能性が高い=届出義務の可能性が高い
・Fantia・myfans・OnlyFansで性的映像を月額課金販売している個人・自分でコンテンツ内容・価格を決め、直接報酬を受け取っている配信者・FC2・Stripchatでアダルトライブ配信を継続して行っている方
一方で、専属契約の事務所・プロダクションが届出済みで、そこに所属している出演者の方や、そもそも性的映像を扱わないチャット・雑談・コスプレ(過激でない)の配信、対価を受け取っていない場合には、この届出は不要なことが多いです。
なお、該当するかどうかの最終判断は個別の実態をもとに所轄警察署が行います。本記事の内容だけで自己判断せず、行政書士へ相談することを推奨します。
映像送信型性風俗特殊営業とは?
映像送信型性風俗特殊営業とは、風営法(風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律)第2条第8項に定められた営業形態です。そして、この営業を行う場合には、警察署へ届出を行う義務があります。
専ら、性的好奇心をそそるため性的な行為を表す場面又は衣服を脱いだ人の姿態の映像を見せる営業で、電気通信設備を用いてその客に当該映像を伝達すること(放送又は有線放送に該当するものを除く。)により営むもの
風営法第2条第8項
| 要素 | 内容 |
|---|---|
| ①「専ら」性的な映像・静止画 | 配信内容の大部分が性行為・自慰行為・裸体等に関するもの。一部だけのケースはサイト全体の実態で判断 |
| ②電気通信設備を使用 | インターネット経由。プラットフォームの国籍・サーバー所在地は問わない |
| ③「営業」として行っている | 継続的に収益を得る意図がある。金額の大小は無関係 |
| ④客に対して映像を提供 | 月額課金・単品販売・投げ銭など。対価の形式は問わない |
また、「映像」には動画だけでなく静止画も含まれる点に注意が必要です(警察庁解釈運用基準)。
なぜ今、話題になっているのか
主要プラットフォームの方針変更
2024年以降、主要プラットフォームが相次いで公式見解を明示しています。
「原則、配信内容において専らアダルト配信を伴う場合には、映像送信型性風俗特殊営業の届出が必要」と公式ヘルプに明記。さらに「プラットフォーム側の届出の有無にかかわらず、各クリエイターの責任で実施すること」としています。
2024年7月の運営方針変更以降、各クリエイターに届出を求める案内を公式ガイドに掲載。
このようにプラットフォームが「配信者個人も届出が必要」という立場を明確にしたことで、今まで重要視されていなかったこの届出への注目度が高まりました。
よくある誤解
A. プラットフォームの利用形態によっては、個人に届出義務が生じます。
警察庁の解釈運用基準では、届出義務は「実質的に映像送信型性風俗特殊営業を営んでいると認められる者」が負うとされています。つまり、形式ではなく実態で判断されます。
楽天市場の例え話が分かりやすいでしょう。楽天市場に出店している各店舗は、楽天ではなく各店舗が営業主体です。プラットフォームはあくまで「場」の提供者であり、配信者個人が実質的に営業を行っていると認められれば、個人に届出義務が生じます。
A. 収益の金額は関係ありません。
風営法上、「営業」に売上金額の下限はありません。月1万円であっても、継続的に収益を得る意図をもって配信していれば「営業」に該当します。
A. 適用されます。
警察庁の解釈運用基準では、届出対象は「我が国において営業を営んでいる者」であり、「客に見せる映像が蔵置されているサーバーの所在地を問わない」と明記されています。配信者自身が日本にいて日本から配信している以上、サーバーの国籍・プラットフォームの所在地に関わらず、日本の風営法が適用されます。
届出義務者は結局誰になるのか
判断の2パターン
プラットフォームが全体の仕組みを構築・管理し、配信者はその指示の下で活動している場合、運営会社が営業主体と認められる可能性があります。この場合、配信者は「出演者」として扱われ、個別の届出が不要になることがあります。
個人でアカウントを開設し、コンテンツの内容・価格・配信スケジュールを自分で決定し、プラットフォームから直接報酬を受け取っている場合は、個人が営業主体と判断される可能性が高まります。
「実質的な営業主体」の判断ポイント
警察署では、以下の点が確認されます。
| 確認項目 | 個人が営業主体と判断されやすい状態 |
|---|---|
| 報酬の受け取り方 | プラットフォームから直接、本人口座に振り込まれている |
| 価格設定の裁量 | 配信内容の価格・プランを自分で決めている |
| コンテンツの決定権 | 何を・いつ・どのように配信するかを自ら決めている |
これらすべてが決め手になるわけではなく、総合的な実態で判断されます。いずれにせよ、Fantiaのように「プラットフォーム側の届出の有無にかかわらず配信者の責任で確認を」という立場をとるプラットフォームが増えていることから、迷ったら風営法に詳しい行政書士へ相談してください。
なお、無届で営業(配信して対価を得ること)を行った場合、6か月以下の拘禁刑若しくは100万円以下の罰金、又はこれを併科されます。詳しくは、下記をお読みください。
無届営業のリスク
刑事罰
無届営業は風営法違反として、6か月以下の拘禁刑(2025年6月1日以降、懲役・禁錮は「拘禁刑」に一本化)若しくは100万円以下の罰金、又はこれを併科されます(風営法第56条等)。「知らなかった」は法律の世界では免責理由になりません。
実務上の発覚リスク
無届営業が明らかになる主なきっかけは以下のとおりです(あくまで一般的な傾向です)。
- プラットフォームや視聴者との契約・金銭トラブルを機に調査が及ぶケース
- 確定申告・税務申告の過程で事業実態が確認されるケース
- プラットフォームの方針変更に伴い届出状況が問われるケース
届出を行うことで、少なくとも風営法上の無届営業リスクは大きく低減できます。ただし、届出だけですべてのリスクが解消されるわけではなく、後述する年少者排除義務や、わいせつ物頒布等に関する別法令への対応も必要です。
すでに配信を始めている方へ
届出の存在を知らずに配信を開始してしまったケースは珍しくありません。法令では「営業開始前(実務運用上は10日前を目安とする自治体が多い)」の届出が求められますが、気づいた時点で速やかに所轄警察署へ相談し、誠実に手続きを進めることが重要です。無届営業期間が長引くほどリスクは高まるため、発覚・認識した段階で早急に行動してください。
届出の概要と必要書類チェックリスト
届出先
営業所(配信に使用する事務所)の所在地を管轄する警察署へ提出。
主な必要書類(標準的な例)
必要書類・様式は都道府県・所轄警察署により異なります。以下はあくまで一般的な例であり、必ず管轄警察署で確認してください。
- 届出書(所轄警察署の所定様式)
- 営業の方法を記載した書類(配信内容・年齢確認方法・決済方法等)
- 住民票の写し(個人の場合)/登記事項証明書(法人の場合)
- 身分証明書(本籍地市区町村発行)
- 営業所の平面図(事務所のレイアウト図)
- 営業所の使用権原を証明する書類(賃貸借契約書等)
- 使用承諾書(賃貸物件の場合、大家・管理会社からの承諾)
- 法人の場合:定款・役員全員分の書類 等
物件と使用承諾書
実務上、最も難関となるのが事務所として使用できる物件の確保と、使用承諾書の取得です。一般的な居住用賃貸物件では、大家・管理会社から映像送信型性風俗特殊営業での使用承諾を得ることが難しいのが実情です。
風営法対応のレンタルオフィス・バーチャルオフィス(営業届出が可能なもの)の利用を検討するか、事前に行政書士に相談して物件選定から進めることをお勧めします。
届出後に必要な義務【年少者排除】
届出を行った後も、以下の義務を継続的に守る必要があります。
18歳未満を客にしてはならない(風営法第31条の13等)
映像送信型性風俗特殊営業では、年齢確認義務が課されており、18歳未満の者を客として映像を提供することは禁止されています。届出書に記載する「営業の方法」の中でも、年齢確認の具体的な方法(クレジットカード認証・身分証確認等)を明記する必要があります。
「届出さえすれば安心」ではなく、年少者排除の継続的な運用が求められます。また、わいせつ物頒布罪・児童ポルノ禁止法等の別法令は、届出の有無に関わらず適用されます。
まとめ
| チェック項目 | 要点 |
|---|---|
| 対象の定義 | 性的映像(動画・静止画)をインターネット経由で継続的に有償提供する営業 |
| 届出義務者 | 実質的に営業を行っている者(形式ではなく実態で判断) |
| 金額の影響 | なし。少額・副業でも対象になり得る。 |
| 海外プラットフォーム | 日本から配信している以上、日本の風営法が適用 |
| 罰則 | 6か月以下の拘禁刑もしくは100万円以下の罰金、または併科 |
| 届出後の義務 | 年少者(18歳未満)への提供禁止・年齢確認の継続運用 |
| 最初の行動 | 行政書士への相談 |
「知らなかった」は法律の免責理由になりません。不安がある場合は一人で抱え込まず、早めに専門家へ相談することが、最も安全で効率的な対応です。
無料相談のご案内
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映像送信型性風俗特殊営業は、配信内容や収益化の形によって届出の要否が変わります。プラットフォームを使っているから安心というわけではなく、実際の運営実態に応じて個別に判断する必要があります。
当事務所では、映像送信型性風俗特殊営業に関する相談を無料で受け付けています。 仙台市青葉区を拠点に、宮城県全域に対応しております。
これから配信を始める方はもちろん、「すでに配信しているけど届出が必要か確認したい」という方からのご相談も大歓迎です。 少しでも気になることがあれば、まずはお問い合わせフォームよりお気軽にご連絡ください。安心して配信活動を続けられるよう、しっかりサポートいたします。
