ガールズバーでも1号許可が必要なケース|カウンター越しの落とし穴
ガールズバーを経営している方、またはこれから開業を考えている方から、「うちは普通のバーだから大丈夫ですよね?」「カウンター越しだから接待じゃないですよね?」という相談を非常によく受けます。
そもそも、ガールズバーという業態名は法律用語ではありません。どんな看板や店名を掲げていても、実際の営業内容で風営法の規制対象になるかどうかが決まります。
2025年の法改正以降、ガールズバーの摘発は明らかに増えました。その多くは、深酒の届出によって営業していながら、接待行為をしており、無許可営業として摘発されています。
この記事では、ガールズバー営業で押さえておきたい風営法のポイントを整理します。開業前の方も、既に営業している方も、自店の運用を見直すきっかけにしていただければと思います。
ガールズバーは2つのパターンに分かれる
ガールズバーが関係する風営法上の区分は、大きく2つです。必要な手続きは、接待をするかどうかと、深夜0時以降に営業するかどうかで決まります。
① 接待行為をするなら「風俗営業1号(許可)」
スタッフが客を相手にして会話を続ける、お酌をする、盛り上げる。こうした接待を店のサービスとして行うのであれば、必要なのは風俗営業1号(接待飲食等営業)の許可です。
1号の許可を取れば、接待を前提にした営業ができます。ただしその代わり、営業できる時間帯には制限があり、深夜帯(0時以降)の営業は原則できません。
② 深夜営業を優先するなら「深夜酒類提供(届出)」
深夜0時以降もお酒を出して営業するなら、基本は深夜酒類提供飲食店営業の届出です。いわゆる「深酒」ですね。
ここで重要なのは、深夜酒類の届出は接待をしない店という前提で成り立っていることです。深夜に営業できる代わりに、接客は「注文を受けて提供する」「短いやり取りにとどめる」など、接待にならない運用が求められます。
よって、深夜酒類の届出で営業しているのに、接待を行っていると、無許可営業の問題が出てきます。
「カウンター越しなら大丈夫」という誤解
ガールズバーの現場で最も多いのが、「カウンター越しだから接待じゃない」という誤解です。
確かに、キャバクラのように席に付くわけではないというお店は多いでしょう。しかし、風営法上の接待は座る位置だけで決まりません。
接待かどうかは、カウンターかテーブルかではなく、特定の客に付き続けているかで見られます。
警察が見ているのは、特定の客に対して会話やサービスが継続しているかどうかです。カウンター越しでも、ある客と30分、1時間と会話を続けていれば、それは接待と評価される可能性があります。
また、指名制度や推し制度、キャストドリンクなどの仕組みがあると、店全体が「接待を前提にした営業」と見なされやすくなります。
実際ガールズバーというと、女の子とカウンター越しに談笑することが普通ですよね。形式ではなく実際の営業内容で判断される、というのが風営法の基本です。
どんな行為が接待になるのか
ここは現場で一番悩むポイントだと思います。明確な線引きはありませんが、実務的な目安をお伝えします。
接待になりやすいのは、特定の客と継続的に談笑し続けること、お酌をした後もその客の対応を続けること、カラオケでデュエットや手拍子で盛り上げることなどです。トランプやゲームを一緒にやる、誕生日演出や特別対応をする、こういったことも接待と見られやすくなります。
共通点は、「特定の客」に対する「継続的な」サービスです。この2つが揃うと、接待のリスクが高まります。
逆に、注文を受けて提供したらすぐ離れる、お酌をしてもその場に留まらない、カウンター内でのオペレーション中心、挨拶や短時間の世間話だけ、といった運用なら比較的安全です。
ポイントは、「特定の客に張り付かない」「会話は短く切り上げる」という運用ルールを徹底できるかどうかです。
ガールズバーの営業で注意すべきポイント
時間で切り替える運用は通用しない
よくあるのが、「0時までは接待、0時以降は普通のバーならできる?」という質問です。
しかし、原則として同じ箱で「深夜酒類の届出」と「風俗営業1号許可」の併用はできません。
営業区分は時間で切り替えられるものではなく、接待行為をしていれば風俗営業扱いになります。深夜酒類の届出で営業しながら接待をしていれば、それは無許可営業です。
2025年改正後、この点での摘発が激増しています。罰則も重くなっているので、届出から許可へ切り替えている店が今非常に多いです。法人経営であれば、罰金だけで最大3億円になりました。
接待を前提に見える仕組みに注意
指名制度や推し制度、キャストドリンク、出勤表の強調、SNSでの個客誘導、チェキなどの個別サービス。これらは単体で違法とまでは言えませんが、接待行為と評価されやすくなります。
「うちは接待してない」と言っても、こうした仕組みがあると警察からは別の見方をされるリスクがあります。
物件選びの段階から風営法を意識する
風俗営業許可が必要な場合、構造や立地に要件があります。用途地域、周辺施設との距離、店内の構造など、図面段階で確認しないと、そもそも許可が取れない物件を契約してしまうことがあります。
物件選びの段階から、風営法を意識した判断が必要です。
2025年改正で罰則が大幅に重くなった
2025年の風営法改正で、無許可営業の罰則が大幅に強化されました。
個人:5年以下の拘禁刑または1,000万円以下の罰金
法人:3億円以下の罰金
「みんなやっているから」という無許可営業は、もう通用しません。開業前にきちんと区分を整理して、適法な手続きを踏むことが必須の時代になっています。
よくある質問
- 数分の会話でも接待になりますか?
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挨拶や短時間の会話だけで直ちに接待とは限りません。ただ、継続性や特定客性が強いと評価が変わります。「どこまでならセーフか」を探すより、「接待と見られない運用」で営業することが大切です。
- 深夜営業したいなら、風俗営業許可を取ればいいですか?
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風俗営業許可(1号)を取ると接待はできますが、深夜の営業は制限されます。「接待も深夜も両方」は制度上難しいです。どちらを優先するかを先に決める必要があります。
まとめ
ガールズバーは、「名目上がバーだから」「カウンター越しだから」といった形式上で風営法の該当区がで決まるものではありません。実際の営業内容で判断されます。
深夜0時以降に営業するなら深夜酒類の届出。ただし接待はできません。
逆に、接待をサービスとして入れるなら1号許可が必要で、深夜営業は制限されます。
一番危ないのは、深夜酒類で回しながら接待も入ってしまう形です。時間で切り替えれば大丈夫、という話でもありません。
2025年の改正で罰則も重くなり、今はここを見逃してくれる時代ではなくなっています。
開業前の方も、すでに営業中の方も、いまの運用がどこに当たるのか、一度だけ整理しておくことをおすすめします。
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【免責事項】 本記事の情報は2025年12月時点のものです。法令や運用は変更される可能性がありますので、実際の手続きの際は必ず管轄の警察署または行政書士にご確認ください。本記事の内容に基づいて生じた損害について、当事務所は一切の責任を負いかねます。
